アトムに優待乞食が殺到して丸焼きに

優待投資家に転身した私としては、株主優待を巡る事件には注目せざるを得ないわけで。
本日、3月末の権利落ち日ですので、高配当銘柄や優待銘柄の株価が軒並み下がっています。今回の注目は東証二部上場のアトム社です。アトムボーイとか握りの徳兵衛なんかの回転寿司をやってたりするところですね。前日の始値334円に対して今日は323円で寄りつきました。100株で2,000円相当の食事が出来るってことですので1,100円の損で2,000円ゲットですね。手数料など考えるとほぼ利益は無しです。配当金はゼロです。ちなみになんで始値かっていうとそこが一番出来高が多いからです。

ただアトムは1,000株だと20,000円の優待になるのです。なので1,000株買った人は手数料を差し引いても十分に利益にはなっていると言えそうです。他社では株数が増えると優待利回りが下がることが普通なので、ちょっとお得かもしれないですね。

しかしながら、実はこの1,000株優待が今日悲劇を生んだようなのです。1,000株優待を取る場合、11,000円の損で20,000円の優待ゲットなわけですが、この11,000円を惜しいと考えた欲深い優待乞食が酷い目にあいました。優待タダ取り手法として近年知られてきた、現物で1,000株買うと同時に同数を空売りした人です。株価の下落はヘッジできるので損失を抑えられるなんて言われるんですけれど、これに乞食が殺到するとどうなるか。貸借の需給逼迫によって逆日歩が付くんですね。いくら付いたかというと、、

日付 貸株超過 品貸料 日数
3月14日 24,800 0.1 2
3月15日 57,200 0.05 1
3月16日 65,100 0.05 1
3月19日 74,400 0.15 3
3月21日 107,800 0.05 1
3月22日 153,100 0.05 1
3月23日 197,100 0.05 1
3月26日 294,600 0.05 1
3月27日 646,300 34.5 3

34.5円!11円の損失を回避したと思ったら34.5円の損をしていた!!受渡日が金曜日なので、逆日歩が3日分取られるのが効いてます。
これ、わざわざ両建てしているところからして1,000株の優待を取りに来た人と思われますが、空売りが60万株ほど増えているので600人の優待乞食がやってきたということでしょうか。34,500円の損をして得た20,000円の優待で食べる回転寿司はどんな味がするのでしょうか。

本日、他にも高額の逆日歩がついた銘柄はありますが、アトムが一番酷い結果になりました。これはアトムが優待乞食が殺到しやすい特徴を持っているからなのだろうと思うわけでして、

こんな感じでしょうか。さらに株主構成を見ると、親会社のコロワイドが75%超を保有しているのに対して銀行等が0.2%とかしかもっていないという特徴がありますね。

株主名 持株数・持株比率(%)
コロワイド 12,715(75.4)
鈴木栄一 110 (0.6)
東和銀行 58 (0.3)
足利銀行 50 (0.2)
自社(自己株口) 46 (0.2)
栃木銀行 39 (0.2)
井上ヒロ子 37 (0.2)
太陽実業 24 (0.1)
自社取引先持株会 22 (0.1)
大垣共立銀行 22 (0.1)

小型株ですし、安定株主から株券の調達が出来なくて高額な逆日歩がついたみたいですね。