eワラントを買うやつは馬鹿

ゴールドマン・サックスなんかが国内証券で販売しているeワラントという商品があります。満期と権利行使価格が決められており、要するにオプションなんですが、対象となる原資産が多岐に渡るために結構人気があるみたいです。
さてこのeワラント、極めて重要な制約がひとつあります。それは売り建てできないということです。買うことと、買ったものを売ることしかできません。大証で日経オプションを買う場合ならば同時に売りポジションを取る投資家が存在するわけですが、eワラントは違います。売りポジションはゴールドマン・サックスが取るわけです。
ここまで聞いて、賢明な人ならばピンときたはずです。
そうですeワラントは健全な価格形成が行われていないのです。端的に言えば糞高いのです。大証で取引されている日経平均オプションとの価格の差を見てみましょう。

原資産 コール/プット eワラント価格 大証価格 権利行使価格 満期
日経平均 プット 0.10 4 9500 10/01/13
日経平均 プット 3.00 270 10500 10/02/10
日経平均 コール 3.65 130 10500 10/01/13
日経平均 コール 5.34 310 10500 10/02/10

価格は年末の始値を載せています。eワラントの取引単位は大証オプションの1/100です。
さてどうでしょう。一目瞭然、ゴールドマン・サックスが暴利を貪っていることがわかりましたね。eワラントを買い続けることは破産を意味します。買ってはいけません。
急騰急落に備えてリスクヘッジに買いたいという向きもあるでしょうが、θのマイナスがきつすぎるので満期が遥か彼方に遠いものに限らねばいけません。でもその場合はギアリングが小さくなるので、結局のところ素直に原資産を売買する方が良いと思います。

それからゴールドマンに言いたいことですが、こんなインチキ商品を売ってる暇があるなら個別株オプションのマーケットメイクをやれと。そして金融庁はこのインチキ商品を規制するべきだと思います。富くじ的な要素があるんですから相応の規制があって然るべきです。株屋は夢を売る商売じゃないんだから。