IT社会は奴隷社会か

白人が黒人を奴隷にしていたのは白人にとって黒人が同じ人間とは認められなかったからだろう。肌の色が違うし頭ちりちりでなんだこれこんなの人間じゃねえという意識があったからこそ奴隷にすることに抵抗感もなかったわけだ。
しかしその後、黒人だって同じ人間だ、人権って大事だよねという意識が広まったから人種差別は悪いことだと多くの人の合意ができて、黒人奴隷は無くなったと。
ここまではいい。
動物愛護法というものがある。ペットのフェレットを蹴飛ばすと逮捕されるという法律だ。これは何なんだろうか。人間ではない物に対して人格を認め、ぞんざいに扱うのは許しませんということだが、私は非常に恐ろしく感じる。人にとって破壊や殺戮は野蛮な行為であるが、ただそれだけのことだとも言える。自分のペットを煮ようが焼こうがそれは当人が野蛮人だと評価されるだけのことであって、なにも警察が乗り込んで逮捕するような話ではないだろう。なんだか本来は人間個人の尊厳を守るはずの法が、人間のエゴを守る物に変質しているのだと思う。カンガルーは食うけど鯨は駄目というのと同じである。動物には脳があって意識があるから可愛そうだというのなら、カンガルーだって食えるわけがない。
しかしこうなると、無機質のコンピュータにも同じ考えが適用される時代が到来するかも知れない。パソコンに名前をつける人は多い。痛車やらなにやらは無機物に人格を認める行為だ。人格を認めたコンピュータを奴隷のように扱うと逮捕される時代が到来するのだ。私はパソコンに奴隷労働をさせて金を稼ごうとしているのだから死活問題だ。
この話は人工知能の発達とは無関係だ。フェレット並の愛らしさを人間が認識するだけで、どんな物にも愛護現象が起こる可能性があり、馬鹿げた事件が起こる可能性があるのではないだろうか。
そんな人間社会に絶望した!