行動ターゲッティング広告の危うさ

行動ターゲッティング広告というものがあります。みんな名前くらいは聞いたことがあるんじゃないかと思いますが、これが最近至る所で問題を起こし始めていますね。
広告効果を考えればWebの閲覧履歴から対象商品に興味を持っている人に対象を絞って訴求するべきだということなんですが、広告を受け取る側としてはそうはいかないのです。
テレビCMや新聞折り込みは大衆が対象なので興味がなければ気にしなければいいです。ダイレクトメールであれば個人宛の要素が若干あるとはいえ印刷物にすぎないので一瞥してゴミ箱行きにできます。電子メールもスパムフィルタで一網打尽です。
でもこの行動ターゲッティング広告はそういうわけにはいかんのです。とにかく極めてしつこいのです。従来は営業マンを飛ばしてねちねち営業していたことがタダ同然でしかも24時間通して行えるからです。

私の例を挙げますと、先日フランチャイズ情報のサイトで「やきとり大吉」の募集を見たら、その後数日経った今でもGoogleが大吉を執拗に推してくるというものです。画面中大吉だらけです。

これが何を引き起こすのか。本手法の広告は人による営業行為に近い性格を持ちます。過剰な営業行為は消費者の購買行動に誤謬を生じさせるかも知れませんし、やきとり大吉が夢に出てきて魘されたとして精神被害を訴える者も現れるでしょう。

さらに酷い例を挙げます。楽天で際どい下着の販売ページを見ていたら以後ずっとその広告が表示されるようになったというものです。

一般サイトを閲覧しているときでもバナーにこのような画像がでてくるのです。これは流石に社会通念上許されないことと考えます。子供の居る家庭では特に深刻な問題でしょう。

広告の本来の役割は事業者と消費者の架け橋になることです。しかしターゲッティング広告を行っている企業は広告の本来の意義を見失っているように思います。これからさらに社会問題化していくのではないでしょうか。