ドイツ証券アドバイザー武者氏

さっきBS1のきょうの世界に慶応の金子と並んでドイツ証券武者氏が出演していたのだけど、ギリシャ金融危機問題などに対してあまりにも的確で鋭いコメントをしていたので思わず笑ってしまった。CDSが危ないだのと表面的なことしか話さない金子はただのテレビタレントのようであった。
武者氏によると、ギリシャ問題はEUの成長神話の限界を示しているとのことだ。つまり経済圏の拡大こそが近年のEUの成長の原動力であったわけだが、もともと脆弱な経済基盤しか持たない国まで併合してしまったことで先進加盟国のシステムとの整合性がとれなくなってしまったということだ。ここで武者氏は経済圏つまり市場や労働力の拡大を論じるときに領土という言葉を用いていた。これは大変にセンスの良い言葉の選び方だ。現代のローマ帝国ともいうべきEUの拡大は、ここで暫く停滞するのだろう。
さて、領土の拡大が止まったEUを待つのは日本と同じようなデフレ経済だろう。烏合の衆の寄せ集めである彼らが果たして今後成長路線を維持できるのか、見ものである。