財務省主導のデフレ地獄

[東京 24日 ロイター] 藤井裕久財務相は24日の閣議後の会見で、政府が11月月例経済報告においてデフレ宣言を行ったことに関連し、物価は金融の問題であり、金融の役割が大事と述べ、日銀の金融政策対応に期待感を示した。同時に現在の需要不足への政策対応として財政は主たる役割ではないと語った。
 政府は20日、11月月例経済報告で日本経済は「緩やかなデフレ状況にある」とし、2006年6月以来、3年5カ月ぶりに「デフレ宣言」を行った。
 藤井財務相は、デフレ状況が長期化しないように努力するとしながら、「物価は金融の問題であり、金融の役割が大事だ」と日銀の金融政策によるデフレ対応が重要との認識を示した。その上で、日銀との話し合いは「菅直人副総理兼国家戦略・経済財政担当相のところでやるかもしれない」と語った。
 財政の役割については「(菅担当相の)財政出動するのではなく、知恵でやっていこうと言っていることは正しい」と指摘。現在の需要不足に対応するための財政出動は「主たる役割ではない」とデフレ対応の財政出動に慎重な考えを示した。
 足元で日経平均株価が9500円を割り込むなど株安が進行していることに対し、「増資ラッシュ(の影響)が一番大きい。もう少し、静かに見守る必要がある」と語った。
 政府の行政刷新会議(議長:鳩山由紀夫首相)は24日から2010年度予算概算要求の「事業仕分け」について後半作業に着手するが、藤井財務相行政刷新会議が出した結論に沿って10年度予算編成を行う考えをあらためて示した。
 (ロイターニュース 伊藤純夫記者)

この財務大臣の豹変ぶりには驚くばかりです。就任会見のときの言動とは180度変わってしまっています。財務官僚に丸め込まれたのか、あるいは民主党内の馬鹿どもに主導権を握られたのかわかりませんが、ここまで豹変するなんて信じられない話です。ゼロ金利下にも関わらずデフレを抜け出せないような経済状態は金融政策ではどうにもならないことくらい、多少のマクロ経済の知識のある者ならば理解できる話です。
現状、金融政策の余地はほとんどありませんが財政政策の余地はまだまだあります。消費税を撤廃したり、国民1人あたり100万円程度の給付金を配ってもいいのです。もちろん財源は国債です。なにも箱物を作らなくてもいくらでも財政政策は実行可能なのです。このような政策を行えば名目成長率をプラスにすることは簡単です。インフラ、教育水準、技術水準、労働者の質、どれを取ってもわが国は他国に優位性を持っています。こういう場合の政府の仕事はマクロ経済の安定だけでよいのです。それさえできていれば、あとは国民が勝手に働くのです。それなのに財政均衡原理主義者が経済政策の中枢を牛耳っている現状では、デフレが継続し、年金は破綻し、将来不安が増し、少子化が深刻化します。これでは近いうちこの国は本当に没落します。

そうそう、民主党の馬鹿で思い出しましたが、菅直人経済大臣はデフレギャップ(GDPギャップ)という用語を知らないようでした。国会でこれについて質問されてるのに税収欠損について答弁しだしたときはずっこけました。

これはもうだめだね。